巡礼5日目。
カミーノの朝は遅く、朝日の登るのは8時を過ぎてから。6時過ぎ、まだ真っ暗なうちに出発しました。
見上げると、オリオン座がきれいに瞬いています。
懐中電灯と月明かりを頼りに林を抜けたころ、やっとカミーノの夜明けが…ウォーク最終日の始まりです。
早く到着したいような、歩き終わるのが名残惜しいような…複雑な気持ちで朝日を見つめました。
ウォーク最終日は、ペドロウゾからサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの約19km。
お守りで持ち歩いていたアンメルツや他の装備を、もう必要ないだろうとスーツケースに置いて、荷物を軽くして出たら、残り8kmの時点で関節が痛み始めました。軽いはずの荷物が、ずっしりと重く感じられます。
上がらない足を黙々と運びながら、歓喜の丘(モンテ・デル・ゴソ)にたどり着くと…大聖堂の尖塔と、サンティアゴ・デ・コンポステーラの市街地を臨む、美しい風景が…
古の巡礼者たちが、長く辛い巡礼の旅を経て、初めて大聖堂を臨むことができるこの丘で歓喜したことから、歓喜の丘という名前が付けられたそう。熊野古道・中辺路の伏拝王子と、とてもよく似た伝承です。
ついにここまで来たのだと感慨深く、離れがたくて、しばらく大聖堂を眺めていると、よし、もう少しがんばって歩こう!と力が湧いてきます。
大聖堂が近づくにつれ、巡礼者の数がどんどん増えてきました。
なかには、賛美歌を歌いながら大聖堂を目指している巡礼者たちも…いよいよ大聖堂に近づいているのだという実感が湧いてきます。
炎天下のなか、歌声に励まされながら広場に入ると、仲間と到着を喜び合う巡礼者たちの歓声に迎えられました!
碧天にそびえる大聖堂を見上げ、思わずぐっとこみ上げるものが…巡礼証明書で認定された歩行距離は、118km。
みんな無事に巡礼を達成できてよかった!
夜は、大聖堂でのミサに参加しました。
透き通るような歌声の賛美歌を聴きながら、ボタフメイロで清められ…守られている感覚に、感謝の気持ちでいっぱいになりながら、ここがゴールではなく、ここからがスタートなのだと感じていました。
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